こんにちは、よしざわです。
今回も金属粉末ビギナーに向けた超入門編の第3段!「金属粉末が何に使われる?」について解説します。
前回の記事では、「金属粉末が使われる本当の理由」をお伝えしました。なぜ使われるか分かったところで、今度は「金属粉末が何に使われているか」ご存知ですか?
「ぶっちゃけ知らない…」
「特定の用途しかわからない」
そんな方に、今日の記事がオススメです!
- 金属粉末の代表的な用途を、わかりやすく学べる
- 「この用途にも金属粉末が使えそう!」材料選びの勘が働くようになる
用途ってめっちゃ多いんでしょ?
覚えきれないッス!
たしかに用途を細かく挙げていけば、それこそ何十何百と出てきます。
けれどそんなあなたに朗報です!

この記事では、用途をたったの2つに集約して解説します。
この2つの用途さえ知っておけば、金属粉末の代表的な用途がカバーされる優れもの。新しく材料を探すときに、「この用途なら金属粉末でもいけるかも!」ってつぶしが効くようにもなるでしょう。
材料選びの時間短縮につながり、あなたのお仕事がぐんぐん前に進む、そんなお役立ち情報をお届けします。
それではさっそく本編にいきましょう。
【衝撃】実は、たった2つの用途に集約される!
3Dプリンタ用の金属粉末やメタリック塗料の原料…、ググってみるとわかるのですが、金属粉末の用途はホントにたくさんあります。でもよくよく突き詰めていくと、実は2つの用途に集約されるんです。
たったの2つです。

これなら覚えるのは簡単ですよね。
ではそれが何か?
あなたはご存知ですか?
専門性が高くて小難しい用途をごちゃごちゃ解説せずに、今回の記事ではこの2つの基本的な用途をお伝えします。
- 金属粉末を固めて形にする
- 金属粉末のまま使う
えっ?
どういうこと??
あまりにも抽象的すぎて、ピンとこないかもしれません。けれど金属3Dプリンタ部品も電磁波吸収シートも鉄分サプリも、全部このどちらかの用途に入るんですよ。その仕組みをご理解いただくために、2つの基本用途をもう少し詳しく解説していきます。
まずは金属粉末を「固めて形にする」用途から、見ていきましょう。
用途①「固めて形にする」
金属粉末の基本的な用途の1つ目は、「固めて形にする」です。
機械の歯車やUSBケーブルの端子などの金属部品や、パワーインダクタと呼ばれる電子回路に使われる電子部品などがこの用途に入ります。

いきなり「固めて形にする」と言われてもピンと来ないと思います。ですからもう少し詳しく説明しますね。
まず、作りたい形に金属粉末を押し固めることから始めます。一番ポピュラーなやり方は、部品の形をなぞった型を作ってそこに金属粉末を詰めた後、力を加えてギュッと押し固める方法です。
でもそれだけだと、すぐに形が崩れちゃいそうですよね。金属粉末同士がくっつきやすいわけではないですから。なので押し固めた後、金属粉末の塊に熱を加えて粒同士をくっつけます*。
*焼結や焼成と呼ばれます。文字通り、700℃以上の高温で部品を焼くんです。

これが金属粉末の用途の中の代表格「粉末冶金」です。「ふんまつやきん」と読みます。チキンじゃないですよ(笑)
金属3Dプリンタや金属射出成形*という技術で作った部品も、この粉末冶金の中の1つなんです。ですから「粉末冶金」という単語は、ぜひ覚えておいてくださいね。
*3Dプリンタのように、複雑な形でも一発で形にできるスゴイ技術。通称MIM(Metal Injection Molding)と呼ばれる。
とはいえ、どんなときでも焼けるわけではありません。熱で性能が落ちちゃう部品のように、高温で焼けないものもあります。その場合は、焼く代わりに接着剤を使って、金属粉末同士をくっつけます。

パワーインダクタ*など電子部品の用途では、この焼かない方式で作るのが多いようですね。
*電気を使う装置(電源)に使われる電子部品。電流を貯める。
ここまでの話をまとめると、金属粉末の基本用途の1つ目は、熱や接着剤などを使って金属粉末を「固めて形にする」です。とくに「粉末冶金」という言葉は要チェック。これテストに出ます!(笑)
用途②「金属粉末のまま使う」
2つ目の用途は、固めて形にせずに「金属粉末のまま使う」です。
部品の表面へのコーティング*や、金属粉末と別の材料を混ぜて新しい機能を持たせる複合材料などが、この用途に入ります。
*溶射と言います

「金属粉末のまま使う」用途は、文字通り金属粉末のまま使われます。
たとえば「コーティング」の場合、熱をかけながら金属粉末を高速で噴射して、コートする部品の表面にぶつけていきます。こうすることで、部品の表面を守る金属の膜を作れるんですよ。
「複合材料」では、金属粉末の「混ぜられる」という金属粉末の特長をフル活用しています。たとえば鉄分サプリは、鉄粉を混ぜて作られています。他にもプラスチックに金属粉末を混ぜて、磁石がくっつくプラスックのような便利な材料が作られているんですよ。

まとめると、2つ目の用途「金属粉末のまま使う」では、主に金属粉末の粉という「形の特長」が活かされています。金属粉末を加工に使ったり、金属粉末以外の材料と混ぜて新しい機能を実現しているのです。
まとめ
今回は、金属粉末の基本的な用途を解説しました。
金属粉末には、2つの基本用途があります。
- 金属粉末を固めて形にする
- 金属粉末のまま使う
1つ目の「固めて形にする」は、金属粉末を固めて金属の部品を作る用途です。高温で金属粉末同士をくっつける「粉末冶金」と、高温で焼く代わりに接着剤で粉同士をくっつける「インダクタ」が代表格です。
2つ目の「金属粉末のまま使う」は、粉末という形を活かして加工や別の材料と混ぜて使う用途です。金属粉末を部品の表面にコートする「溶射」や、導電プラスチックのような「複合材料」が代表格です。
今回はわかりやすさを重視して、代表的な用途に絞って深堀りせずにお伝えしました。もしこの中で気になる用途があったら、まずはそこから調べてみると面白いですね。

そしてさいごに、もし今あなたが材料を探しているなら、次の2つの軸で考えてみるといいですよ。「お探しの材料に金属粉末が合うか?」手軽にチェックできます。ぜひお試しくださいね。
- 金属粉末を固めて形にすると、簡単に作れそうか?
- 金属粉末のまま使うと、うまくいきそうか?
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今回も最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

