金属粉末|基礎編①非エンジニアにこそ知っておきたい!金属粉末の性能を決める3つの重要特性

こんにちは、よしざわです。

今回は、金属粉末の性能を決める重要特性を解説します。

「重要特性ぇ…?!
めっちゃたくさんあるんじゃないの??」
「どの特性を覚えればいいか
全然わからない…」

そう不安になる方もいらっしゃると思います。たしかに「重要特性は全部で23個!」って言われても、どれが大事かわからなくなっちゃいますよね。

でもご安心ください。
今回は「これだけは絶対外せない!」という重要な特性を、3つに絞ってお届けします。



今回の記事も、金属粉末の専門家でなく「金属粉末に詳しくない方」に向けて、できるだけ具体的な内容に落とし込んで書きました。金属粉末の選定や調達、開発に関わる方が、知っておくべき必要最低限の情報に絞って、わかりやすくお話しします。

この記事を読めば、金属粉末の性能の決め手になる「重要な粉末特性」を学べます。そうなれば、あなたがエンジニアでなくても、もちろん理系でなくても、誰でも金属粉末選びに関われるようになりますよ。今日のお話を通じて、あなたが「間違いない金属粉末を選べるようになる」、そんなステキな未来にお連れします。

それでは本編にいきましょう。


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金属粉末の性能の決め手!3つの重要特性とは?

はじめにズバリ結論からお伝えします。金属粉末の性能を決める重要特性は、こちらの3つです。

3つの重要特性
  1. 組成* 金属の種類
  2. 粒度  粉末の粒の大きさ
  3. 形状  粉末の粒の形

*化学成分とも言われます。どちらの単語もよく使われます。


「組成と粒度と形状?
まだモヤッとする…」

これだけでは、まだ何だかわからないと感じる方もいるでしょう。なのでもう少し詳しく説明しますね。


1つ目の特性「組成」は、金属の種類のことです。鉄とか金のように、1つの元素が入ってるだけならシンプルですが、実際は鉄とニッケルとクロム、なんて具合にいろんな種類の元素が入っています。ですから組成は、元素×金属に入っている元素の量で表します。元素記号とパーセントを使って、こんなふうに表現されるんですよ。

例:Fe-50%Ni* 
*50%ニッケル、残り鉄の意味


2つ目の特性「粒度」は、金属粉末の粒の大きさのことです。粒度は金属粉末をだけなく、あらゆる粉末において、一番大切な特性になります。粉末といえば、粒の大小(粗いか細かいか)を表す「粒度」を、最初にチェックします。超入門編でお伝えしたように、粉末の場合、粒の大きさは原則1mm以下です。ですからmmよりも小さい単位である、μm(ミクロン)やnm(ナノ)で表現されます。モノによっては、μmの代わりにmesh(メッシュ)という網*の規格で表すことありますよ。
*網は金属粉末を作るときに使われる。網を使って粒の大きさを分ける。



3つ目の特性「形状」は、金属粉末の粒の形のことです。一言で粒といっても、丸い形の粒もあれば、ひも状や松ぼっくりのような異形(不規則な形)の粒もあります。ちょっと乱暴ですが超大雑把に分けると、形状は球状と異形の2種類になります。


とはいえ形状は、業界や用途、場合によっては人によって主観的になりがちです。というのも、金属粉末の形状を表すための共通の記号や規格が、今のところ無いからです。粉末の写真や金属粉末の作り方などで、判断されているのです。


3つの特性、なぜ重要?

金属粉末の3つの重要特性の存在をご理解いただいたところで、次になぜこの3つの特性が重要なのか?その理由に迫っていきましょう。

組成・粒度・形状、この3つの重要特性は、金属粉末の性能を決めるだけではありません。なんと金属粉末に関わる4つのことに、大きく影響するのです。

  • 性能 金属粉末の良し悪し
  • 用途 金属粉末を使って、何を作るか
  • 加工方法 金属粉末という素材を、どう調理するか
  • 製法 金属粉末の作り方

「えっ!?
なんで用途や加工方法にも
影響するの??」


そう感じる方もいるでしょう。けれど実際そうなんです。

たとえば金属粉末の粒の大きさを表す「粒度」1つとってみても、めちゃくちゃ影響します。1mmの粉末を使っていくら頑張っても、粒より小さい0.1mmの部品を作るのは難しいですよね。

粒の大きさが変わると、粉末の流れ方や容器への詰まり具合(嵩)、部品を作るときに焼くときの温度なんかも変わります。こんな具合に3つの重要特性は、性能はもちろんのこと、用途や加工方法にも大きく影響するんですよ。



そして忘れちゃならないのが、3つの重要特性によって金属粉末の作り方が変わるということです。

一言で金属粉末といっても、金粉か?鉄粉か?によって、作り方が変わります。金属が溶ける温度も違いますし、反応する物質も違います。何より金と鉄が混ざったらマズイですよね。同じように、粒が大きいか小さいかで、作る条件も装置も変わります。作り方が変わるということは、金属粉末のメーカーが変わるんです。



ですから金属粉末の組成・粒度・形状によって、作れるメーカー、すなわち金属粉末の入手先が変わることを理解しておきましょう。コレを無視して、無理やり「この金属粉末作って欲しい!」って頼んでも、永遠に手に入りません。

組成・粒度・形状という3つの特性をキッチリ押さえておかないと、「欲しい金属粉末が手に入らず、開発も調達も全然進まない…」そんな沼にハマってしまいますよ。


まとめ

今回は、金属粉末の性能を決める特性についてお話ししました。それはこちらの3つ特性になります。

  • 組成 入っている元素の種類と量
  • 粒度 粉末の粒の大きさ
  • 形状 粉末の粒の形



この3つの特性のどれか1つが変わるだけで、金属粉末の性能だけでなく、それを使って作った部品の性能も変わってきます。そして性能だけでなく、金属粉末の使い方や用途、果ては入手先(メーカー)までも変わってくるのです。

今回の記事では、組成・粒度・形状をザッと流して説明しました。でもこれらをガチで語り出したら、それこそ1つの特性でご飯3杯はいけちゃいます(笑)。ですから今後の記事で、1つずつ詳しく説明する予定です。

いろんな話が出ましたが、まずは3つの重要特性の存在さえ知っておけばOKです。それぞれの特性のことを掘り下げる前に、金属粉末の基礎編で扱う「金属粉末の作り方」「金属粉末を使うデメリット」を理解しましょう。特性の深い話は、エンジニアさんの領域です。必要になったときに学べば間に合いますので、ご安心くださいね。


それでは最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。

今回はここまでです。また次の記事でお会いしましょう。

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